2012年4月19日木曜日

クリニック便り|三重県津市 西山産婦人科不妊治療センター[不妊一般治療・体外受精・顕微授精]


2009年冬号

テーマ

妊娠しやすい生活習慣・代替療法について No.3
「食生活を考えてみましょう−その2−」

前号に引き続き、生活習慣のなかで大きな柱となる「食生活」についてご一緒に考えていきたいと思います。妊娠に向けての食生活を考えるとき、ともすれば、妊娠しやすい体づくりにつながる栄養素や食品へ視線が向けられがちですが、まずは健康な体作りを目指して、食生活の基本に立ち返ることが大切です。今号では、適正体重を守る食生活の重要性を中心にお話を進めながら、妊娠につながる可能性のある栄養素として注目されている「イソフラボン」と「ビタミンE」についても触れたいと思います。

守りたい食生活の基本は…

食べすぎ、食べなさすぎ、偏食は要注意です!

食べすぎは肥満につながり、食べなさすぎは痩せにつながります。とくに極端な肥満は男女ともに不妊の原因になることがありますので、注意が必要です。また、極端な偏食も不健康のもとになりがちです。

●太りすぎが不妊につながることがあります

女性の場合、極端な肥満は排卵障害の原因になることがわかっています。皮下脂肪には、女性ホルモンを吸収する作用があるため、脂肪が過剰につくとホルモンのバランスが崩れ、排卵障害を起こしやすくなるのです。男性の肥満も造精機能障害の原因になります。コレステロールや中性脂肪を摂りすぎると、精液にも脂肪が多く混ざり、精子の運動率が低下する原因になります。

●痩せすぎが不妊の原因になることがあります

女性の極端な痩せは卵巣の働きを低下させ、月経不順や排卵障害の原因となります。とくに、若い女性の一部には痩せ願望が強い傾向があり、日本は先進国のなかで唯一、「生殖年齢の女性たちが飢えている国」と警告する産婦人科医は少なくありません。無理なダイエットによる痩せすぎは不妊に結びつくだけでなく、妊娠後のダイエットは胎児の低体重を招き、出生後の発育を長い目で見ると、生活習慣病のリスクが高まるといわれています。

●偏食はできるだけ直したい

食べ物の好みはひとりひとり違います。個性といえばその通りですが、極端な偏食は栄養不足や偏りにつながります。偏食は長い時間をかけて身についているので、直すのは大変ですが、できれば好き嫌いなく何でも食べてほしいものです。また、ダイエットのために「人工的な偏食」に傾くことがあります。たとえば、ご飯やパン、麺類などの炭水化物を除く場合には、エネルギー源となる炭水化物が不足するだけでなく、本当は好きな食品を我慢するなどの精神的なストレスが加わり、健康のためによくありません。


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適度な運動

適度な運動は血行をよくして生殖細胞である卵子や精子に栄養と酸素を運んでくれます。女性の場合、生殖細胞である卵子は卵巣で作られます。卵巣は子宮の左右から出ている細い管である卵管の先にあります。かなり体の奥深くにあるといっていいでしょう。卵子の成熟には日々の食事から得る栄養が大切な「糧」になります。では卵巣へ栄養や酸素を運ぶのは何でしょう? 血液ですね。同様に精子を作る精巣に栄養と酸素を運ぶのも血液です。 血液の流れがよいと、体の奥にある卵巣にも栄養と酸素が十分に届きます。 適度な運動は体のすみずみまで血行がよくなる手助けをします。

心身のストレス解消

疲労をためず、心身のストレスを早めに解消する規則正しい生活リズムが、元気な体を作ります。
生活リズムが不規則になって睡眠不足が続くと、風邪をひきやすくなることは日常生活でよく経験します。体が疲労すると、体全体の免疫の働きが低下して、風邪ウイルスをはね返す力が弱くなるからですね。
不妊治療の場合も同じことがいえます。
心身のストレスは細胞にダメージを与える酸化物質を増やします。疲労も精神的な不安や苛立ちもストレスになります。十分な睡眠で体をいたわり、今日のストレスは今日のうちに解消して明日に持ち越さない…。そんな規則正しい生活リズムが妊娠しやすい体を作ります。
自分だけで悩まず、気分を変えられる方法を見つけて、ストレス解消をするようにしたいものです。

よい食習慣への改善法は?

正しい食生活はカウンセリングから…

食べすぎ、あるいは食べなさすぎが習慣になっている方は、1日の摂取カロリーを計算して、食事の内容や量をコントロールする必要があります。しかし、自己流は危険です! 栄養士によるカウンセリングを受けるなどし、栄養バランスのよい食事を基本に、ご自分に合ったコントロールをすることが大切です。

●BMIをベースに適正体重に!

コントロールの基本になるのが、BMI(体格指数)です。BMIは体重(kg)を身長(m)の二乗で割った数値です。出た数値が18.5未満は痩せ、 18.5以上25.0未満は標準、25.0以上は肥満です。ただし、25.0以上の場合、30.0未満は「やや肥満」、35.0未満は「肥満」、35.0以上は「高度肥満」となります。自己判断で痩せ、あるいは肥満と判断せずに、不安なことがあればBMI別のカロリー摂取量をカウンセラーにアドバイスしてもらいましょう。

☆BMIの計算式 BMI=体重(kg)÷身長(m)2

BMIの判定

18.5未満
やせ
18.5〜25.0未満
標準
25.0〜30.0未満
やや肥満
30.0〜35.0未満
肥満
35.0以上
高度肥満
●食事日記をつけましょう

食事日記をつけるのもいいでしょう。朝・昼・夕の3食のほか、おやつに食べたお菓子や飲料、嗜好品、アルコールなども正直に記録します。記録することで、食事量や栄養のバランス、嗜好品の摂り方なども自覚できます。日記をつけることが適正な食生活への糸口になることも多いのです。


seperation不安の夜の恐怖

あなたが食べる1日の食事内容から、カロリー計算や栄養バランスを手軽に知ることが出来るホームページがあります。京都大学医学部附属病院疾患栄養治療部が公開しているものです。自分でも出来る食事診断として活用してみてください。
URL:

●嫌いな食品には代替の食品を

お肉は好きだけれどお魚は一切ダメ…など、食べ物の嗜好はひとりひとり違うものです。偏食はできれば直したいのですが、いくら体によくても苦手な食品を「これを食べなくてはいけない」と思うとかえってストレスになり、無理に食べても栄養として吸収されにくい心配があります。どうしても食べられない食品は、たとえば動物性のタンパク質なら、苦手なお魚の代わりにお肉や卵にするなど、他の食品で代用させてもいいでしょう。野菜は好きでも、和風の煮物は苦手ならマヨネーズで和えてもいいのです。さまざまに工夫しましょう。

よい食生活へのヒント(1)

栄養を活用するためにも朝食・昼食を大切に

食べすぎは肥満につながり、食べなさすぎは痩せにつながります。とくに極端な肥満は男女ともに不妊の原因になることがありますので、注意が必要です。また、極端な偏食も不健康のもとになりがちです。

「夜食べるほうが太る」には科学的根拠がある!

朝食抜きは太りやすい、夜いっぱい食べると太りやすい…。よく言われることですが、これまでは科学的根拠がはっきりしていませんでした。しかし最近、米ノースウェスタン大学の研究チームによるマウスの実験で、「食事の時間帯と体重増加の直接的関係」が明らかになったそうです。明るい時間帯にエサを食べるグループと、暗い時間帯だけエサを食べるグループに分けて観察したところ、摂取カロリーや運動量はどちらも同じなのに、暗い時間帯に食べたグループの体重増加は明るい時間帯に食べたグループより明らかに多いことがわかりました。朝ご飯は抜かず、昼食もきちんと食べる。夜ご飯は早めに食べる。つまり1日3度の規則正しい食事が肥満予防につながるというわけですね。

色彩豊かな献立は栄養バランスもよい!

食卓で栄養バランスを考える時にヒントになるのは食品が作る色彩です。後述の緑のアボカドに白い玉ねぎだけでは色彩に乏しい…と感じたら、赤いトマトや赤ピーマンを加えるといいでしょう。赤色の食品と限らず、お好みでわかめなどの海藻類(黒)やソティしたきのこ類(茶色)をプラスしてもいいですね。いつも栄養バランスの良い食事を…と意識しすぎると、ご飯作りがストレスになります。毎食は色彩豊かでなくても、昨日と今日と明日と…、数日単位である日は和食中心の茶色系(調味料は出汁や醤油、味噌など)、ある日は洋食中心の白またはクリーム色系(ホワイトソース、クリームソース、チーズなど)など、長い目で見てもいいのです。そしてある時は注意を全部忘れて、大好物をたっぷり食べる日があ ってもいいですね。大切なのはストレス解消です!


9ヶ月妊娠中の歯痛

おやつには無塩のナッツ類を!

テレビでミスユニバース大会に挑戦する女性の食生活の工夫が紹介されていました。成程と感心したのが「無塩のドライナッツ類」の活用です。いつも無塩のドライアーモンドを持ち歩き、小腹がすくと3〜5粒食べて、おやつの代わりにしているとのこと。無塩のナッツなら塩分控え目です。塩分+水分の摂りすぎは体重増加やむくみの原因になりがちですが、塩分量が少ないと喉が渇きにくいので、摂取する水分量も少なくなります。何よりドライナッツにはビタミンDやカルシウムが豊富! アーモンドにはビタミンEも多く含まれています。おやつに甘いお菓子や糖分の多い飲料を摂ってしまいがちな方にはぜひ、参考にしていただきたいものです。

妊娠しやすい栄養素ってあるのかな?

残念ながら、これを摂れば妊娠に直結…などという【夢の栄養素】はありません。
しかし【夢の実現につながる可能性のある栄養素】はあります。さて、どんな栄養素でしょう…。
注目されているのはイソフラボンとビタミンEです。

イソフラボンにはエストロゲン様作用があります

イソフラボンは別名「植物性エストロゲン」と呼ばれるように、摂取後、体内でエストロゲン(女性ホルモン)に似た働きを発揮します。一般的にエストロゲンは子宮内膜を増殖させ、卵子を着床しやすくさせる作用があります。排卵期には、エストロゲンの増加とともに透明なおりものが増加して、精子の通過を容易にします。これらのことから、エストロゲンは妊娠の準備には欠かせないホルモンといわれています。イソフラボンはこのエストロゲンとよく似た働きがあるといわれているので、妊娠しやすい体作りのための食品として期待できるのです。

ビタミン類の中ではビタミンEが重要

●ビタミンEはホルモンの生成と分泌に関与しています

ビタミンの語源はラテン語のVITA(生命)だそうです。これだけで健康維持に欠かせない大切な栄養素と推測できますが、私たちの体は自分ではビタミンを生成できないので、食品から取り入れなければなりません。ビタミンには脂溶性ビタミンのA、D、E、K、水溶性のB1、B2、B6、B12、C、ナイアシン、葉酸、ビオチン、パントテン酸と、合計13種類があります。どれもが必須ですが、とくにビタミンEはホルモンの生成と分泌に必要で、妊娠しやすい体作りに効果が期待できます。

●冷え性の解消にも効能があります

不妊で悩んでおられる女性には冷え性の方も多いのですが、冷え性の一番の原因は血行の悪さです。血液は血管の収縮によって流れますが、血管の収縮を助けるのが筋肉です。女性は皮下脂肪が多く、筋肉が少ないため収縮作用がスムーズに行かず血液の循環も悪くなりがちです。このため、血液を送り出すポンプの働きをする心臓から遠い手足などの体の末端が冷えるのです。ビタミンEは血行不良からくる冷え性はもちろん肩こりなどの解消にも効果があります。また、ビタミンEは「老化予防のビタミン」と呼ばれています。動脈硬化や老化現象を引き起こす過酸化脂質の生成をストップさせる抗酸化作用があるからです。


●バランスよい栄養がビタミンEの効率をよくします

「抗酸化作用で細胞を元気にし、健康を取り戻す」はとてもインパクトある言葉ですが、単にビタミンEだけでは効率よく体に働きません。ビタミンEの体内への吸収には、ビタミンDをはじめ、ビタミンCの相乗作用が必要です。食べ物から栄養を取り入れるということは、食事でさまざまな食材、つまり栄養素をバランスよく摂ることなのです。ほうれん草のゴマ和えは日本人ならではの和食の定番です。ゴマにはビタミンE、ほうれん草にはビタミンCが豊富に含まれています。ここにきのこをアレンジして追加すればビタミンDも加わります。健康を意識して食事を作ることも大切なことです。

葉酸は妊娠に備えて摂りたい栄養素です

葉酸はビタミンB群に入る水溶性ビタミンです。ビタミンB12と共同で働き、骨髄の中で赤血球を作る造血作用に関係しています。食生活の乱れは貧血症状として現れやすいのですが、葉酸は貧血の解消にも有効です。とくに、妊娠を望む女性は妊娠前から葉酸を積極的に摂るように勧められています。月経によって鉄分を失いやすい女性にとっても鉄の吸収に関係する葉酸は大切な栄養素といえます。貧血を予防し血流をよくして子宮内膜に十分な栄養と酸素を送ることは着床の役にも立つはずです。また妊娠した女性が1日の必要量400μgを摂ることで、胎児の神経管の先天異常の発症リスクを低下させる効果があることがわかりました。

よい食生活へのヒント(2)

三重県産伊勢葛はイソフラボンの宝庫

イソフラボンは大豆や葛などのマメ科の植物に多く含まれています。お豆腐や納豆などの大豆製品、葛粉を原料とする素麺やうどんが身近な食品です。葛粉は古くは母乳が十分に出ないお母さんのために、葛湯にして赤ちゃんへの補食として重用されました。三重県の伊勢葛は奈良県の吉野葛同様に有名です。おやつに葛もちを食べるのもいいですね。

アボカドに玉ねぎドレッシングは最強のビタミンE献立!

ビタミンEを豊富に含む食品の代表格はアボカド! アボカドには「森のバター」の別名があるように脂肪を多く含みますが、ビタミンE、ビタミンB6、葉酸、パントテン酸などのビタミン類が豊富。銅やカリウムなどのミネラルも多く、便通を整える食物繊維が豊富なのも女性にはうれしい食品です。安価な時は1個100円程度とお財布にもやさしいので、血液をサラサラにする玉ねぎやリコピンたっぷりのトマトを添えたり、玉ねぎ、にんにく入りのドレッシングをかけたアボカドサラダがお勧めです。他にビタミンEが豊富な食品はカボチャ、ブロッコリー、さつまいも、ほうれん草などの野菜類の他、うなぎ、たらこ、卵黄などがあります。

サプリメントの活用は慎重に

たとえば葉酸は1日必要量の400μgが1包になったサプリメントが市販されています。ビタミン類を組み合わせたマルチビタミンなどもあります。これらを上手に活用してもいいのですが、なかにはビタミンAやビタミンD、葉酸などのように、過剰摂取を避けたいビタミン類もあります。サプリメントを利用する時は事前に専門の医師に相談してください。


コラム

新型インフルエンザが猛威を振るう今日この頃、免疫力をアップする食品を食事に加えるように心がけてください。タンパク質、脂肪、炭水化物、ビタミン・ミネラル類の広範囲に渡る栄養素の中で、免疫力アップにはこれらをバランスよくとることが重要なのですが、強いていえば免疫に関係する白血球の働きを高める食品を意識的にとるといいでしょう。赤身の魚で代表される鮭をはじめ、野菜ではニンニクや玉ネギ、トマト、緑黄色野菜としてブロッコリーやかぼちゃ、果物では柑橘類を、そのほかとして豆類やきのこ類、海藻類もいいでしょう。「旬の食材」と土地に根付いた「地の食材」を摂ることも大切です。旬の食材には力があり、地の食材にはその土地に住む人に合った滋養が含まれるものなのです。

不妊カウンセラー 西山純江



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